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10月23日のまにら新聞から

冷静に準備を始めよう 新型コロナ第2波

[ 787字|2020.10.23|社会 (society)|新聞論調 ]

 フィリピンが感染流行を抑えつつあるかに見えるなか、北半球の国々は流行の第2波に襲われている。ワシントン・ポスト紙は10月14日、米20州で感染者数が過去1カ月の記録を更新したと報道。テレビ局ユーロニュースは同日、欧州のほとんどの国で、今年前半の第1波よりも多くの患者が発生していると報じた。その2日前、世界保健機関(WHO)は、東南アジアを含む地域を除く全ての管轄地域で前週と比べ上昇率が高くなったと伝えた。

 感染者数で地域最高だった比は、伸びが平坦化し、インドネシアを下回るまでになった。規制が緩和され、移動の自由も増している。しかし世界の傾向を見ると、警戒を緩めるのは早すぎる。

 比で隔離施設が準備できたこと、感染者を見つけやすくなったこと、マスクとフェースシールドの着用が受け入れられたのは良いことだ。しかし問題点もある。第1に検査結果が分かるのに1週間以上というのは遅すぎる。唾液を使った方法などを検討すべきだ。第2に比赤十字社が検査を中断し、検査数が減っている。汚職にまみれた比健康保険公社の不払いが原因だ。一刻も早く解決すべきだ。第3に多くの人が受けられるように検査費用を下げるべきだ。

 ロックダウン(防疫封鎖)の再来を防ぐにはクリスマスの祝い方を変える必要がある。たとえ感染者数が減り続け、禁止はされなくても、パーティーや集会はお勧めできない。家族の集まりも来年までのお預けを検討すべきだ。オンラインでの集まりは可能だ。

 この提案は極端に聞こえるだろう。しかし今は非常時だ。社会的距離を取り続けよう。年末までにワクチンが行き渡ることはない。ただ治療法は見つかりつつある。また感染力の強い病原体への変異も今のところ見られない。今の厳しい状況を嘆くよりも、良い面に目を向け、自分と人の今ある健康を祝うようにしてはどうか。(18日、マニラタイムズ)

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