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6月28日のまにら新聞から

コロナ禍でも完全実施を 精神衛生法

[ 625字|2020.6.28|社会|新聞論調 ]

 新型コロナウイルスのワクチン開発が急がれる中、人々は公衆衛生や経済の健全性をどう守るかに焦点を向けている。一方で、精神的な健康への注意は二の次になっている感がある。

 世界中で医療専門家が、防疫封鎖による自宅待機や生計の損失が精神に及ぼす影響を報告している。コロナ感染で愛する人を失った苦しみとはまた異なるものだ。首都圏をはじめルソン島一帯に防疫強化措置が敷かれてから、自殺防止ホットラインに助けを求める電話の数は、それ以前の2倍に増えたという。電話の主は若者から高齢者まで全ての年齢層に及ぶ。

 自殺者が増加傾向にあるにもかかわらず、フィリピン社会は伝統的に精神衛生にあまり注意を払ってこなかった。

 2018年6月20日に成立した共和国法第11036号(精神衛生法)は、地域の施設でカウンセリングなどのサービスを受ける機会をうたっている。

 また、全ての州立や三次救急などの病院は、特に若者に注意を払い、自殺予防ホットラインをはじめ、精神科、神経科などのサービスを提供するよう義務付けられている。学校カリキュラムでも2年間の精神衛生のカリキュラムが盛り込まれ、教育の場や職場での本格的な統合が求められている。

 サービスを受ける者はプライバシーが保たれ、緊急時には、訓練を受けたバランガイ職員がまず最初に対応してくれることになっている。政府はコロナ禍の今こそ緊急性を自覚し、この法律が完全実施されるよう努力すべきだ。(23日・スター)

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