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1月12日のまにら新聞から

経済の民主化を進めよ 財閥による支配

[ 645字|2020.1.12|社会|新聞論調 ]

 水道会社2社を所有するアヤラ家とマニー・パギリナン氏をドゥテルテ大統領が攻撃したことでオリガークス(寡占の支配者たち)への憤りが強まっている。昔からある財閥への恐怖と怒りの再燃だ。

 悪いオリガークスは違法な手段や政治的便宜を受けて富む。事業は大衆から搾取することで繁栄する。正当な過程を経ることなしにもうけの多い契約を結ぶ者や、政府に守られた独占的な採掘権・伐採権を持つ者などだ。

 オリガークスは日本やカナダのような一見理想的な社会にも存在するが、そこでは良いオリガークスが、悪いそれより多い。比の場合は、中南米ほど深刻ではないものの、多くが政治的便宜を受けて成長し、インフラや電気通信などの分野まで進出してきた。

 起源はスペイン統治下だ。16世紀、資源を奪うため植民地を探したスペインは比の部族王国の土地を鎮圧した。スペイン人入植者に王室が土地と先住民を与えるエンコミエンダを導入、先住民は土地耕作と貴金属採掘を強制された。賃金が支払われたのはわずかで、傭兵には税を課した。先住民の生活は最低水準まで引き下げられ、入植者に過剰な富が集まった。

 エンコミエンダにルーツがある法と社会制度が、今日も大衆を抑圧するエリートに特権を認めている。競争がないために産業が発展せず、所得格差は広がるばかりだ。特権をなくすには、外国人投資家を含むすべての人に経済の自由をもたらすことだ。権力の民主化なしにオリガークスを排除することは、新たなオリガークスを生み出すだけだ。(8日・スター)

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