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6月21日のまにら新聞から

米比相互防衛条約の規定を明確に 領土問題の平和的解決に向けて

[ 788字|2019.6.21|社会|新聞論調 ]

 北は中国、西はベトナム、南はブルネイとマレーシアに接する南シナ海で、わが国の権利と国益にかかわるさまざまな出来事が起きている。これらを受け、米比間の相互防衛条約(MDT)の見直しが必要であるとする比の高官もいた。先の金曜、米大使はTVのインタビューで、2国のいずれかが武力攻撃を受けた場合に助け合うことを義務付けるこの条約の遵守を約束すると繰り返し述べた。

 同条約第4条にはこう述べられている。「太平洋地域におけるいずれかの当事国への武力攻撃は平和と安全保障への脅威であると認識し、確立されたプロセスに従って共通の脅威に対して戦うことを宣言する」。5条にはこう続く。「第4条のため、いずれかの当事国への武力攻撃は、いずれかの当事国の大都市圏あるいは太平洋上でその支配権下にある島嶼、太平洋上の軍隊、公共の船舶、航空機への武力攻撃を含むものとみなされる」。

 ロレンサナ防衛長官は、解釈の違いが生じうる条項を明確にするために条約の見直しを提案している。例えば、「南シナ海」は太平洋に含まれるのか? キム米大使によると、ポンペオ米国務長官は「南シナ海は太平洋の一部であり、従って同条約は南シナ海へのいかなる武力攻撃にも適用される」と述べている。これが本当にその通りなら条約に明記すべきだ。他にも、比の領土ではないが、領土から200海里の排他的経済水域内に位置する島もある。これらは条約の対象になるのだろうか?

 核時代の今、戦争は領土問題解決の選択肢たり得ない。こうした対立は交渉でのみ解決可能だ。それも、国連の支援を受けることが望ましい。 

 南シナ海問題への対応には慎重さが求められるが、同様に防衛条約の改正や履行についての米国との交渉も慎重に行わなければならない。より明確な条項は、将来の意見の相違や早まった行動を防ぐことにつながるだろう。(19日・ブレティン)

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