Logo

11 日 マニラ

27°C25°C
両替レート
¥10,000=P3,800
$100=P5,680

11 日 マニラ

27°C25°C
両替レート
¥10,000=P3,800
$100=P5,680

ハロハロ

2017/4/24 社会

 4月中旬の土曜日の正午前。週末には必ず足を運ぶ地元の市場で、ブランチと買い物を終え、アパートに戻る途中で目にした光景が印象的だった。インドネシア・ジャワ島は今、雨期から乾期に移り変わるほぼ真ん中。その日は、前夜の激しかった雨がやみ、朝から太陽が顔を出していた。その中、左手に野菜類、右手にはバナナ、マンゴーなどのトロピカルフルーツを下げ、乾期到来近しを告げる強い日差しを浴びながら歩いていた。

 体格からして10歳ほどと見受けた地元の少年が光の中から姿を現し、前方に建つ高層アパートに沿って造られた側溝の前に立った。仁王立ち姿の少年が手を前にやり、腰を2、3度振った。すると勢いよく飛び出した「水」が、南国の陽日を受けてキラキラと輝き、放物線を描きながら側溝に吸い込まれていった。すべてを側溝内に出し切った少年は、何事もなかったように、小走りで仲間のところに戻っていった。

 少年と私の年齢差は約60歳。小さいながらも、見事な放物線を描ける元気さに思わず見ほれてしまった。と同時に頭の中をよぎったのは、自らの「水」が放物線を描かなくなって、いや描けなくなってから、既にどのくらいの歳月が過ぎただろうかだった。そう考えて寂しさにとらわれたり、残り少なくなったこの世での日々にため息をついたわけでもない。だが、正直なところ、放物線を描けたころに一瞬でもタイムスリップできたらと思ったのは間違いない。失った放物線に思いをいたし、「来し方」を重ねた。(道)

おすすめ記事

NBI、マラテで偽職員2人を逮捕 企業からの恐喝容疑で摘発

2025/11/11 社会 有料
有料

違法薬物790万ペソ相当を押収 全国で指名手配犯も逮捕、PNP

2025/11/11 社会 有料
有料

PNP、「災害下でも治安維持」 台風接近の中で連続作戦

2025/11/10 社会 有料
有料

侮辱罪厳罰化、被害者の評価二分 罰金事例を公表、法務省

2025/11/10 社会 有料
有料

インフルエンザ、注意報レベルに 宮城、神奈川などで多く、厚労省

2025/11/10 社会 有料
有料

オムロン、通期売上高予想を上方修正 制御機器・電子部品が堅調

2025/11/10 社会 有料
有料