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2月24日のまにら新聞から

日系企業 悩みは後任のビザ 「交代できない」例続出

[ 973字|2021.2.24|社会 ]

 在フィリピン日系企業の間では、比で任期を終えても後任のビザが出ないため、事実上、人事が凍結される例が続出している。中には人事発令後、1年近くたっても後任と交代できないまま比にとどまっている駐在員もいる。比政府は有効なビザを既に持つ外国人の再入国規制は順次緩和しているが、新規入国については複雑な手続きをなお課しており、ビザ発給数を絞っているともみられる。在比日本大使館は日系企業の新規入国者について「さまざまなルートで働きかけを続けている」としているが、春の人事異動期を前に新規入国が困難な状況は当面続きそうだ。

 外国企業からの新規入国者のビザ申請の現状は(1)必要書類を貿易産業省など業種に関連する省に提出、次官以上の署名入り推薦状を得る(2)その推薦状を元に比外務省が在京フィリピン大使館に伝え申請者を入国審査免除の対象とする(3)その後に申請者が「9a」など短期滞在用のビザ発行を受ける──という手順となっている。比に入国さえできれば、ビザは一般駐在員向けの「9g」など長期ビザへの変更も可能とされている。

 しかし、新規入国の申請が外国企業から殺到して処理が追いつかないのか、比側が数を絞っているのか、申請から発給まで数カ月はかかっているのが現状だ。

 フィリピン日本人商工会議所の藤井伸夫副会頭によると、業種によっても新規入国者のビザが出るまでの期間に差があるという。「銀行の場合は監督官庁が独立性の高い中央銀行になるので、速やかにビザ発給に至る例が多い。商社も比にとって『国家的重要プロジェクト』とされるインフラ事業などにかかわっている場合はビザが出やすい」と藤井副会頭は話す。

 一方、それ以外では日本で知名度が高い大手企業であっても「後任のビザで苦労している会社は多い」と指摘する。日系大手保険会社の例では、フィリピンとインド間で人員を入れ替える人事が昨年4月に発令されながら、新規入国ビザ取得がいずれの国でも難航、現在も異動ができていないという。

 在比日本大使館は「比外務省をはじめさまざまな官庁に新規入国についても緩和するようお願いしている。ただ、お互いの国の感染状況などが絡むため、交渉には難しい面もある」とした上で「新規入国に関する一般的な相談は経済班や領事班で受け付けている」と話している。(石山永一郎)

社会

シノバックワクチンあす到着 優先接種対象まだ決まらず

[ 883字|2021.2.27| ] 無料記事

【シノバック製ワクチン60万回分が中国軍機によって28日に到着することが判明するも優先接種対象がまだ決まらず】 新型コロナウイルスワクチンの第1陣として中国製薬大手シノバック製のワクチンを積んだ中国軍の輸送機が28日、首都圏パサイ市のビリャモール空軍基地に到着することが25日までに判明した。比政府による全国のワクチン接種プログラムが3月からいよいよ始まる見通しだ。26日付英字各紙が報じた。  シノバック製のワクチンは、食品医薬品局(FDA)が22日に緊急使用許可を承認したことから、同社から60万回分に相当するワクチンが数回に分けて比に届けられる予定。しかし、ドミンゴFDA局長が同ワクチンの効果について「(接種者の)50・4%にしか現れない」と述べ、医療従事者や高齢者など優先順位の高い対象には使用しない方が良いと勧告していることから、比政府は中国製ワクチンの優先接種対象をまだ決められずにいるという。  黄渓連駐フィリピン中国大使は25日、「困難な時にお互いに助け合うという中国と比との間の良い伝統だ」との声明を出し、中国政府による今回のシノバック製ワクチンの寄付を讃えた。28日に空軍基地に到着した後、通関手続きを経て、冷蔵車両でまずモンテンルパ市にある熱帯医学研究所(RITM)に輸送される予定だ。  比へのワクチン第1陣の到着日時が決まったにもかかわらず、保健省や新型感染症対策国家タスクフォース(NTF)は中国製ワクチンの接種対象など接種実施の詳細がまだ決まっていないと発表している。一方、政府のワクチン担当責任者のガルベス大統領補佐官は3月第1週から「医療従事者への接種が始まることを期待している」とした上で、モレノ・マニラ市長が自らシノバック製ワクチンの公開接種を受けると表明したことも明らかにした。  また、国防省は今回到着するシノバック製ワクチン60万回分のうち10万回分について、同省の職員や国軍兵士らが接種する予定だと明らかにした。さらに、比総合病院のレガスピ院長も「いかなるブランドのワクチンであれ、FDAから使用許可が出ている限り、われわれは接種する準備は出来ている」とシノバック製のワクチン接種も問題ないとの考えを示した。(澤田公伸)