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1月3日のまにら新聞から

勇敢なる比人の楽観主義 希望のワクチン

[ 624字|2021.1.3|社会 (society)|新聞論調 ]

 昨年12月のパルスアジアの調査によると、フィリピン人の91%が希望を持って新年を迎えると答えている。比では新型コロナウイルスの感染者数の曲線がまだ平坦化には至っていないが、比人は楽観的に新年を迎えた。それは単なる楽観主義ではなく、逆境を乗り越えてみせるという人々の決意表明でもあると思える。

 新型コロナは友人や家族に犠牲者を生み出し、経済を荒廃させた。人々の生活に大混乱をもたらし、容赦のないウイルスに対する恐怖に満ちた日々を過ごさざるを得なかった。

 しかし、ワクチンが絶望を希望に変えつつあり、今年後半までには国内でワクチンが利用可能になると予測されている。

 ワクチンは新型コロナとの戦争で最前線の暗闇にいる医療従事者をまず救うはずだ。既に少なくとも190万人の米国人がワクチン接種を受けている。比でも大統領警護隊らが既に接種を受けた。ただ、食品医薬品局がまだ正式承認をしていないワクチンを使用したことは問題だ。優先順位としても大統領警護隊にまず接種したのは正しかったのだろうか。

 絶望してはならない。絶望することはウイルスへの敗北を認めることだ。2021年を希望の年にするためには、人類の英知を結集して治療法を探し求めるだけでなく、その治療法や予防法を人類が惜しみなく共有する必要がある。人類は「一つになって病を克服する」のだと心に刻むべきだ。そうでなければ、比人の「勇敢なる楽観主義」は報われない。(1日、インクワイアラー)

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