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7月24日のまにら新聞から

刑務所で死亡、次は整形手術か 麻薬王9人のコロナ死疑惑

[ 745字|2020.7.24|社会 (society)|新聞論調 ]

 ニュービリビッド刑務所に服役していた麻薬密売グループの大物元締たち9人がコロナに感染して死亡したというニュースが流れた際に疑惑がすぐ浮上したのは、この刑務当局が過去、いくつものスキャンダルを生み出し、信頼度がゼロであることを反映している。最近では矯正局幹部らが複数の囚人の家族らに現金と引き換えに模範囚として本人の釈放を持ちかける「自由の販売」スキームが暴露されている。

 報道によると今回、病死後すぐに火葬にされた者の一人は、デリマ上院議員がかつて司法相だった時の刑務所内における麻薬密売容疑の共犯者として政府側に立って証言したジェイビー・セバスチャンだった。その他にもパシッグ市で覚せい剤市場を経営していたとして有罪判決を受けたアミン・ブラトンや中国人大物密売人らも含まれている。

 このニュースが出ると、ABS—CBNはすぐさま2017年12月に英国紙テレグラフに掲載された記事「自分の死をも偽造する どうやってフィリピンは死の商人のグローバル・リーダーになったのか」を報じている。ゲバラ司法相はこの麻薬元締たちの死亡に関して調査を命じたが、何か特別な結果が判明するとは誰も期待していない。いくつかのチャットグループでは、コロンビアとメキシコの麻薬王たちが当局の追及を避けるために整形手術を受けているとする過去の報道を基に、次に何が起きるかを予想する声であふれている。

 かつて著名なメキシコ人の麻薬王が米国の裁判で自分が3回にわたり整形手術を受けたことを証言している。麻薬王の中には整形手術を受けるためにメキシコ市の病院に向かう途中で逮捕された者や、手術の際に死亡し、整形外科医がドラム缶の中で遺体で発見された事件も報道されている。(22日・マラヤ、エレン・トルデシリャス)

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