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5月29日のまにら新聞から

今こそ自転車文化の定着を マリキナ市の実践に学べ

[ 783字|2020.5.29|社会|新聞論調 ]

 防疫強化措置が実施されたマニラ首都圏では多くの住民たちが自転車に乗り出した。老若男女が歩道で自転車をこぐ様子は移動のニーズに対して自転車がいかに重要な働きを果たしているかよく分かる。

 コロナ禍はフィリピンにおける自転車文化の台頭を後押しするかもしれない。貧困層でも活用でき、持続可能な移動手段である自転車は多くの市民や団体がその促進を訴えてきた。実際に多くのNGOが医療従事者らへの通勤手段として自転車貸与プロジェクトなどを実施している。しかし、防疫期間中に人々の間で自転車に対する需要が急激に高まっているものの、首都圏の交通行政を担当する首都圏開発庁(MMDA)は何の施策も検討していない。

 同庁は過去に自転車利用を促進させるために「バイク・シェアリング」プログラムを始めたこともあったが、公共交通機関が完全に停止したこの2カ月間のチャンスを利用する気配を全く見せなかった。一方で、運輸省はエドサ通りの「マブハイレーン」を自転車専用レーンとする案や首都圏に自転車専用道路を設置することを視野に入れている。同省が注目するのがマリキナ市とパシッグ市だ。特にマリキナ市は主要道路やオフィス、軽量高架鉄道2号線の駅、商業地区や学校などを結ぶ総延長52キロの自転車専用レーンを設置しており世界的にも知られている。世界銀行が2002年に供与した130万ドルの無償資金援助が当てられた。同市に隣接するパシッグ市も自転車の寄贈を呼び掛け、医療従事者など通勤者に貸与する「パシッグ・バイク・シェア・プログラム」を実施、路肩拡張や自転車レーンの設置事業などを市内の主要道路沿いで実施している。

 コロナ禍を契機に比に自転車文化を定着させるため運輸省やMMDAは地方自治体のイニシアティブを支持し、全国にその実践を広げるべきだ。(25日・インクワイアラー、セグンド・ロメロ)

社会

「強制ではない」と内閣相 職場での義務付け禁止へ

[ 884字|2021.3.6 ] 無料記事

【ワクチン接種について内閣相「強制ではない」。労働雇用省もガイドライン作成へ】 国内での政府ワクチン接種プログラムが今週から始まったのを受けて、一部の企業や地方自治体などでは接種しない従業員の就業を禁止する方針が検討されているが、ノグラレス内閣相は4日の記者会見で「政府はワクチン接種を強制するものではない」と言明、就業条件としてワクチン接種を義務付ける考えに反対の立場を示した。労働雇用省もワクチン接種の費用を使用者が負担し、接種拒否を理由とする解雇を禁止することなどを盛り込んだ職場向けのガイドラインを出す見込み。5日付英字紙マニラタイムズが報じた。  ノグラレス内閣相の声明は、トレニャス・イロイロ市長が最近発表した声明に反応したものとされている。同市長は声明で「市内で勤務するすべての従業員に対して就業を許可する前にワクチン接種を義務付けることを検討している」と表明していた。  労働者のワクチン接種については、ベリョ労働雇用相が3日、「ワクチン接種を拒否した労働者を解雇してはならない」と警告し、すでに企業内でのワクチン接種に関するガイドライン草案を策定、労使関係団体などから意見を集めるために周知していると述べている。このガイドライン草案によると、職場でのワクチン接種費用はすべて事業主や使用者が負担し、その従業員に費用を負担させてはいけないことを明示。さらに、接種を拒否した従業員を解雇するなどの差別的待遇を禁止している。  労働組合側などからはガイドラインに賛同する声がすでに寄せられており、ベリョ同相は5日にもガイドラインに署名する予定という。同相は「従業員にワクチン接種を義務付けることは法律的に根拠がない。そういった行為は違法な停職処分ないし違法解雇とみなされる」と述べ、財界に対して改めて警告している。  上院労働委員会の委員長を務めるビリャヌエバ上院議員もこのほど、「最近の世論調査で、安全性の問題ゆえに国民の47%がワクチン接種を望まないと答えている。ワクチンに対する懸念がある中で、接種を拒否した労働者に落ち度があるとみなすことはできない」と述べ、従業員への接種強制に反対する立場を明言している。(澤田公伸)