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3月27日のまにら新聞から

倒産への時限爆弾 中小企業への効果的な支援を

[ 790字|2020.3.27|社会|新聞論調 ]

 筆者は経済学者だが、レストラン・グループのオーナーでもある。中小企業の経営者としては、新型コロナウイルス拡大による政府の場当たり的な対策に混乱させられるばかりだ。政府の宣言には明確な実施の指針がない。例えば、大統領がマニラ首都圏封鎖を発表した時も、ルソン島全土に封鎖を拡大した時も、我々中小企業は、除外される業種、従業員への補償、サプライチェーンの維持についての指針など何一つ知らされなかった。我々の生活と仕事に関わる告知は、具体的な規則・ガイドラインとともに発表されるべきだ。

 さらに、政府を代表する広報責任者がいない。異なる政府機関がバラバラに命令を出し、地方自治体発表がこれをさらに混乱させている。例えば貿易産業省はレストランの操業停止を指示、後になって持ち帰りと配達に業務を限れば操業可能とした。ところが、マンダルーヨン市やマニラ市などで開店していたレストランは2万ペソの罰金を課された。

 労働雇用省は、一時解雇された労働者に対し、5千ペソを一括で給付すると発表した。実際は、経営者が一時立て替え払いし、規定の書類を提出して同省から払い戻しを受けるという。倒産の危機に瀕する中小企業の現実をわかっていない。

 我が国の99・6%の事業所は中小企業であり、労働人口の66%を雇用している。中小企業が崩壊すれば経済全体も壊滅的な被害を受ける。政府は2千億ペソを景気刺激策に拠出するというが、ほとんどは失業者への給付で、中小企業への救済に使われるかは不明だ。

 最も効果があると思われるのは、商業用地の賃借者に今後6か月間にわたり家賃を40%値下げするか売上に見合った家賃にしたり、最低賃金の引き上げを1年間凍結したり、中小企業の銀行への返済を3か月猶予することなどだろう。中小企業は今、時限爆弾を抱えているようなものだ。(25日・スター、アンドリュー・マシガン)

社会

マニラ日本人学校で卒業式 タギッグ市許可 対面で実現

[ 835字|2021.3.9| ] 無料記事

【マニラ日本人学校で卒業式。タギック市の許可を得て少人数の対面で実現】 マニラ日本人学校(ダギッグ市、梶山康正校長)で8日、小学部と中学部の卒業式が行われた。同校の授業は昨年3月の新型コロナ防疫措置強化以来、オンラインのみで行われているが、卒業式はタギッグ市の許可を得て対面で行われ、約1年ぶりに生徒児童が学校に集まった。  ただし、日本に帰国中で受験などのため再入国できない生徒児童も多いことや、感染防止への配慮から、小学部卒業生22人、中学部卒業生15人のうち、実際に学校に来たのは小学部10人、中学部4人のみ。保護者約10人も参加したが、やや寂しい卒業式になった。他の卒業生や在校生はオンライン参加した。  バスケットボールコートで行われた式ではまず梶山校長が「未来は君たちの手の中にある。未来を創っていくのは君たち自身だ」と卒業生にはなむけの言葉を伝えた。  小学部在校生の「送る言葉」はオンラインで行った。中学部は2年生で1人だけ出席した生徒会副会長の南澤慧海(えかい)君が送辞で「全校みなで卒業生を祝福したかったが、卒業生の今後の活躍を願っている」と述べた。  答辞は生徒会会長の菊地娃香(あいか)さんが「コロナによって一つ一つ、いろいろなことが削られていってしまった」とこの1年を振り返りつつ、同級生、先生、親らに「これまで本当にありがとう」と涙声で繰り返し感謝の言葉を伝えた。菊地さんは「私たちはあすからそれぞれの道を歩んで行くが、ここは、ずっと第2のふるさとです」と結んだ。  式後、梶山校長は「出席者を絞り、屋外でやる ことで、なんとか対面で卒業式ができたことをうれしく思っている。タギッグ市の配慮にも感謝している」と語った。同市内の学校で対面の卒業式が行われるのは初めてで、同市職員も「モデルケース」として見学に訪れた。  マニラ日本人学校の在校生は現在、日本に帰国中の生徒児童を含め、小学部142人、中学部42人の計184人。昨年3月時点の計460人と比べるとコロナ禍で大幅に減っている。(石山永一郎)