まにら新聞ウェブ

1992年にマニラで創刊した「日刊まにら新聞」のウェブサイトです。フィリピン発のニュースを毎日配信しています。

マニラ
34度-24度
両替レート
1万円=P4,470
$100=P4,840

9月29日のまにら新聞から

宥和策で主権を損なうな 中国との危険なゲーム

[ 638字|2019.9.29|社会|新聞論調 ]

 著名な米国の歴史家アルフレッド・マッコイが言った通り、ドゥテルテ大統領は中国と危険なゲームをしている。フィリピンは中国への「宥和政策」で失うものの方が多い、と多くの政治専門家は警告してきた。

 比中の非対称的な貿易関係は変化していない。2019年7月の輸入額22億ドルに対し、輸出は8億6千万ドル。インフラ整備も、日本は比が受けた政府開発援助(ODA)総額の46%、82億ドル相当を提供。中国は90億ドル分を16年に約束したが、まだ3億6492万ドル分しか提供していない(3月現在)。 大統領は先月末の習近平・中国国家主席との会談で、両国が「互いに尊重し、両国に有益である、強く特別な関係」への一歩を踏み出す必要性を語った。だが、領海への侵入や比漁師への嫌がらせ、西フィリピン海(南シナ海)での攻撃的な行為の増加は、相互の尊重、友情に基づく行動とは考えられない。

 比は「新たな友好関係」のために中国により多くの譲歩と特権を与えている。領有権問題で中国は「紛争を棚上げし、協力と開発に集中すべきだ」として、資源共同開発で「より大きな一歩」を踏み出すよう比側に求めた。比は天然資源を最大限利用できる立場を失い、共同探査協定で中国がより大きな部分を得ることになるかもしれない。

 浅はかな外交政策のために、次世代の比人がその誇りと主権を失ってしまうべきではない。比の主権は、いかなる形の援助や投資とも引き換えてはならない。(27日・インクワイヤラー、ディンド・マンヒット)

社会

「強制ではない」と内閣相 職場での義務付け禁止へ

[ 884字|2021.3.6 ] 無料記事

【ワクチン接種について内閣相「強制ではない」。労働雇用省もガイドライン作成へ】 国内での政府ワクチン接種プログラムが今週から始まったのを受けて、一部の企業や地方自治体などでは接種しない従業員の就業を禁止する方針が検討されているが、ノグラレス内閣相は4日の記者会見で「政府はワクチン接種を強制するものではない」と言明、就業条件としてワクチン接種を義務付ける考えに反対の立場を示した。労働雇用省もワクチン接種の費用を使用者が負担し、接種拒否を理由とする解雇を禁止することなどを盛り込んだ職場向けのガイドラインを出す見込み。5日付英字紙マニラタイムズが報じた。  ノグラレス内閣相の声明は、トレニャス・イロイロ市長が最近発表した声明に反応したものとされている。同市長は声明で「市内で勤務するすべての従業員に対して就業を許可する前にワクチン接種を義務付けることを検討している」と表明していた。  労働者のワクチン接種については、ベリョ労働雇用相が3日、「ワクチン接種を拒否した労働者を解雇してはならない」と警告し、すでに企業内でのワクチン接種に関するガイドライン草案を策定、労使関係団体などから意見を集めるために周知していると述べている。このガイドライン草案によると、職場でのワクチン接種費用はすべて事業主や使用者が負担し、その従業員に費用を負担させてはいけないことを明示。さらに、接種を拒否した従業員を解雇するなどの差別的待遇を禁止している。  労働組合側などからはガイドラインに賛同する声がすでに寄せられており、ベリョ同相は5日にもガイドラインに署名する予定という。同相は「従業員にワクチン接種を義務付けることは法律的に根拠がない。そういった行為は違法な停職処分ないし違法解雇とみなされる」と述べ、財界に対して改めて警告している。  上院労働委員会の委員長を務めるビリャヌエバ上院議員もこのほど、「最近の世論調査で、安全性の問題ゆえに国民の47%がワクチン接種を望まないと答えている。ワクチンに対する懸念がある中で、接種を拒否した労働者に落ち度があるとみなすことはできない」と述べ、従業員への接種強制に反対する立場を明言している。(澤田公伸)