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8月2日のまにら新聞から

教会の鐘は鳴り続けるのか ネグロス島の殺害事件多発で

[ 801字|2019.8.2|社会|新聞論調 ]

 ネグロス島各地にあるカトリック教会が7月28日から毎晩8時に一斉に鐘を鳴らすという。この島で続発する殺人事件を止めるよう訴えるための鐘の音である。

 島内のサンカルロス大司教区のアルミナサ司教は「この鐘の音で人々の祈りを集め、神の御心が犯罪者の心に触れるよう、また責任を持つべき政府機関が、この連続殺人に効果的に対処するように願う」と述べている。

 このアピールが出た週に弁護士や校長、教育省職員、自治体職員、そして1歳児を含む15人ほどが殺害されている。

 このような広範囲の殺人事件が起きた原因として、ある関係筋はドゥテルテ大統領の覚書命令第32号を挙げている。この命令は、国内各地で発生していた散発的な暴力事件を抑えるために、昨年11月に発令され、軍と警察に対し違法な暴力を制圧するためのガイドラインを定めている。

 その後、3月14日にはネグロス島で14人の農民が殺害される事件が発生した。教員組合ACTによると、この命令が出て以降、36人が殺害され、数百人が身柄を拘束され、数千人がハラスメントを受けている。犠牲者のほとんどが土地なし農民で、その他に人権活動家や、最近では教員ら教育関係者の犠牲が増えている。

 ある人権団体によると、ネグロス島では2017年1月以降70人以上が超法規殺人の被害者となっている。殺人事件にはさまざまな背景があるかもしれないが、人の命が失われることは、それ自体意味のない暴力であり、人々は殺人を恐れるのではなく、むしろ怒りを表に出すべきだ。

 自分たちがいかに自分の利益を追い求めているか、その一方で他人の人権に関心を持たず、人間としての価値を見失っているかを鐘の音はわれわれに思い出させるだろう。鐘は殺害が止むまで鳴らし続けるという。ネグロス島の人々だけでなく、他の地域のわれわれも、この鐘が鳴り続けないよう希望する。(7月28日・スタンダード)

社会

ファイザー製の緊急使用認める 比FDA承認第1号

[ 956字|2021.1.16| ] 無料記事

【比食品医薬品局がファイザー製新型コロナワクチンの緊急使用を許可】 フィリピン食品医薬品局(FDA)は14日、米製薬大手ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認したと発表した。国内でのコロナワクチンの承認は今回が初めて。15日付英字各紙が報じた。  ドミンゴFDA局長は14日のオンライン記者会見で「医学専門家らによる入手可能なデータを徹底的に審査した結果、緊急使用を許可した」と述べ、「緊急使用許可は商業的な販売許可ではないため、一般の流通市場を通じて使用することはできない」と説明。全国的な接種プログラムに基づく使用に限られるとの認識を示した。  また、同局長は、中国の製薬大手、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)も13日、コロナワクチンの緊急使用許可を申請したことを明らかにした。これまで同局に緊急使用許可を申請したのは、英製薬大手アストラゼネカとロシアのガマレラ・インスティテュートの2社も含め、4社目となった。  一方、コンセプション大統領補佐官やロケ大統領報道官、ガルベス大統領顧問(ワクチン担当)は14日、アストラゼネカ比子会社のラミン社長らも参加して、全国39地方自治体と民間企業約300社によるワクチン購入に向けた3者間契約の署名式に参加した。合計1700万回分の接種量に相当するワクチンを購入する一括契約にあたる。  コンセプション大統領補佐官は署名式で「フィリピンは決してこの戦いから取り残されない。国民への(アストラゼネカ)ワクチン接種は今年6月か7月から始められることを希望している」と述べた。  ドゥテルテ大統領は13日、国民向け演説で、政府のワクチン接種プログラムの予算として825億ペソを計上していると明らかにした上で、アヤラ財閥やアボイティス財閥、実業家のパギリナン氏や国内製薬大手ユニラブなどが政府への支援を申し出ていると言及した。  特にパギリナン氏やアヤラ財閥は全国のワクチン接種プログラムに関してサプライチェーンに詳しい経営幹部やコンサルタントを用意すると表明しているという。  早ければ2月にも中国シノバック製のワクチンを使った接種プログラムを開始すると政府も表明しており、官民の協力による同プログラムが成功するかが今後の比の感染抑え込みの鍵を握りそうだ。(澤田公伸)