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6月7日のまにら新聞から

比の漁業の未来を見据えて 漁業資源保全への米国支援

[ 788字|2019.6.7|社会|新聞論調 ]

 フィリピンは、世界でもトップレベルの海洋生物多様性と漁獲量を誇り、多くの国民が漁業により生計を立てている。しかし、乱獲や不適切な漁法、汚染やごみの廃棄、気候変動により漁業資源は急速に失われつつある。比国民にとって魚は主要なタンパク源であり、漁業資源の減少は、とりわけ貧困ライン以下で暮らす漁民への影響が大きい。また、いわゆる「違法・無報告・無規制(IUU)漁業」により、比は年に685億ペソもの損害があるとされ、国内外の市場で法を守る漁民や水産加工業者が不利益を被っている。

 米国政府は、30年以上にわたり比政府や現地のパートナーらと共に違法漁業問題と漁業資源の保護に取り組んできた。6月5日、この「違法・無報告・無規制(IUU)漁業撲滅国際記念日」を祝うにあたって関係者らに謝意を表明したい。

 米国際開発庁(USAID)の取り組みとしては、2018年に13億ペソを投じて立ち上げた「フィッシュ・ライト・プロジェクト」がある。比の漁業水産資源局(BFAR)と環境天然資源省(DENR)、地方のパートナー団体らと連携し、共に生物多様性の危機に取り組み、漁獲量を増やす試みだ。米国は他にも、比の各政府機関と共同で海洋保全エリア管理者の能力開発プログラムや違法漁業の撲滅に向けた職員研修等を実施。さらに今年は、米沿岸警備隊が東南アジアにおける多国間での法の執行という、これまでにない取り組みのワークショップをマニラで開催した。

 比の経済と漁業の健全な発展のためには、比の若者の革新的なアイディアも不可欠だ。そのため若者世代の海洋に関する教育の支援も手がけてきた。今日、若いリーダーたちが、同分野での環境ビジネスや教育に懸命に取り組む姿を見られるのは誇らしいことである。これからも比政府と市民社会、若者たちとこの問題に取り組みたい。(5日・ブレティン、キム駐比米国大使)

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