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9月7日のまにら新聞から

もっと貯水池を作れ 首都圏の水不足問題

[ 775字|2018.9.7|社会 (society)|新聞論調 ]

 今や私たちはすべての物が不足している。コメや魚、その他の食料や砂糖など。そして今度は首都圏東部に水道を供給するマニラ水道会社が、新しい水源が確保出来なければ2023年には首都圏が深刻な水不足に見舞われると警告した。ちなみにマニラ市やパサイ市など首都圏西部にはマイニラッド水道会社が水道を供給している。

 現在、首都圏の水道はすべてブラカン州にあるアンガット、イポ、ラメサの各ダムを水源としている。マニラ水道会社がそれら水源の40%を、マイニラッド社が60%の貯水をそれぞれ分け合っている。4〜6月の乾期にはダムの水位が下がり今でも水不足の危機にある。しかし、7〜9月の雨季には逆に水位が上昇し、時々ダムの水が放水され、下流域で洪水を引き超こすこともある。

 先週、マニラ水道会社は、管轄区域で1日当たり4千〜5千リットルも水道の需要が増えていることを明らかにした。もう一つの水源であるリサール州のカリワダムの完成が23年に見込まれていることから、21年には供給が需要に追いつかなくなると警告したのだ。

 そこで同社はラグナ湖の湖水を浄水する統合浄水場の建設計画を提案している。しかし、事業費が130億ペソかかるため、首都圏水道局が高すぎると不満を表明した。しかし、このままいくとカリワダムが完成するより前から水不足に見舞われるのだ。政府の経済閣僚たちはこの食料危機よりさらに甚大な影響を与える水不足の問題に真剣に取り組むべきだ。水は人間にとって電気や食料よりはるかに重要だ。

 フィリピンは実際、モンスーンの影響で雨がよく降り水には恵まれている。この雨水を海に流すのではなく、貯水池に貯めることで水を節約すべきとの提案もされてきた。カリワダム建設もそうだが、もっと小規模でコストもかからない貯水池を各地に作るべきだろう。(3日・ブレティン)

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