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6月1日のまにら新聞から

フィリピンの栄光を取り戻せ ブラカン空港建設事業の推進

[ 808字|2018.6.1|社会 (society)|新聞論調 ]

 1960〜70年代にはフィリピンは輸出大国で韓国や台湾、香港の輸出額を10倍上回っていた。しかし81年には香港が比より3・8倍の輸出額を稼ぎ、韓国と台湾もそれぞれ比より3・7倍と3・9倍を輸出した。2016年には香港は比の8・9倍、韓国は8・8倍を輸出した。比はどうしてこの輸出競争に負けたのか。簡単に答えると、インフラの貧しさだ。この国は良い高速道路や港、空港がない。国内にある85の空港のうち、夜間に離発着できる空港はまだ10カ所しかないのだ。インフラが貧弱なため、過去3回あった外国投資の波が東南アジアに押し寄せた際に、その誘致に失敗した。また観光客の誘致にもタイやマレーシアなどのように成功できず、アセアン域内でも外国人観光客数で万年6位に甘んじている。観光客を誘致する際には空港やホテルなどのインフラも整備しなければならないのだ。

 われわれは最近5年間で世界最大のコメとコーヒーの輸出国へと成長したベトナムに学ぶべきだ。かの国は失業率も比の半分まで削減するのに成功している。そこで国民はサンミゲル社が打ち上げているブラカン国際空港建設計画を支持すべきだ。これは多くの利益をこの国にもたらす。

 まず、政府予算を使わず同社が7350億ペソもの資金を用意する。そして空港利用者を2000万人まで増やすことができる。また、事業を通じて雇用が増える。直接雇用だけでも3000万人分に達する。そして年間30憶ペソに達する経済損失を生んでいるマニラ首都圏の渋滞を解消できる。国内総生産の8%もの貢献が見込まれている。航空運賃や航空貨物の値段も下がる。

さらに、現在のマニラ空港を売却することで2兆ペソの収入が政府に入る。そうすれば首都圏にさらに新しい商業開発地点が増え、貧困問題や大学教育無償化などの予算も確保できる。そしてフィリピンに国としての栄光が再び訪れるのだ。(30日・スタンダード、トニー・ぺレス)

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