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8月21日のまにら新聞から

今こそ結束を ASEANに不協和音

[ 751字|2016.8.21|社会|新聞論調 ]

 中国による南シナ海南沙諸島の領有権主張を認めなかった常設仲裁裁判所の判断以降、フィリピン、中国両国は関係修復に向けた最初の段階を踏み出している。その大役を担うラモス元大統領を特使として派遣したドゥテルテ大統領の判断は、賢明な策であり、中国にも歓迎されたようだ。

 ラモス元大統領は香港で、中国の全国人民代表大会(全人代)外事委員会主任委員の傅瑩氏ら要人と2日間の非公式会合を持った。話し合いは、仲裁裁判所の判断には触れず、漁業における協力関係、生態系の保護、違法薬物取り締まりに焦点が絞られた。

 ラモス元大統領は重要な仲介役を担う要人との関係再構築に努めた。このまま両国間の雪解けムードが高まれば、領有権問題に関する公式会合が近く、開かれる可能性もあるだろう。

 先の仲裁判断にもかかわらず、中国は域内軍事化を進めている。この動きが、同じく領有権を主張するベトナムなど関係各国の軍事化に拍車を掛ける。

 中国はまた、後進国を味方に付けるために別の方法で力を誇示している。カンボジアはビエンチャンで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に先立ち、この大国から6億ドルの援助を受け取った。この結果、ASEANの声明をめぐり、先の判断に言及するか否かで足並みがそろわなかった。カンボジアが反対を表明したためだ。   

 ASEANは既に、中国やインドという二つの経済大国に肩を並べられるよう、貿易の自由化を目指して経済共同体を発足させた。しかし領有権問題という差し迫った課題に向き合うことができなければ、共同体の力を発揮することは難しい。真の経済統合が実現する前に、ASEANとしての統一見解が必要だ。大国に屈しないために今、さらなる結束が求められている。(16日・インクワイアラー)

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