Logo

03 日 マニラ

34°C25°C
両替レート
¥10,000=P3,800
$100=P5,535

03 日 マニラ

34°C25°C
両替レート
¥10,000=P3,800
$100=P5,535

後生に伝えよう 大噴火から四半世紀

2016/6/27 社会

 1991年6月15日に起きたピナツボ火山の大噴火から四半世紀が過ぎた。1千人以上の命が奪われ、約200万人が避難生活に追い込まれ、社会経済に100億ペソの損害をもたらした。1912年にアラスカで起きた大噴火に次ぐ20世紀最大の規模だった。 

 中でもルソン地方パンパンガ州バコロル町は最も被害が甚大だった地域の一つで、火山灰が降り積もって無人地帯と化した。住民たちは元の居住区に戻ったとはいえ、ピナツボ火山へとつながる8本の川はいまだにボートで横断できない。 

 経済的な観点で言えば、ルソン地方中部の成長率は1988年の7・6%から91年には2・4%へと激減した。人的損失もまた甚大だった。たとえば少数民族のアエタは噴火後、先祖の土地を見つけることができず、10万人以上の農民が依然として再定住地での生活を余儀なくされている。

 政府はインフラ整備を含めた復興事業に320億ペソを支出した。被災者たちも辛抱強く頑張った。ピナツボ火口付近の湖を訪れる人々も増えて観光業も盛んになった。

 ルソン地方中部の成長率は2014年に9%に達し、アエタ民族の避難所として長らく使われていた小学校が17年に再開する見通しとなった。

 地元の大学が建設した博物館からも多くを学ぶことができる。ピネダ同州知事は「大噴火は人々の勇気、団結性、そして回復力を芽生えさせ、神に対する忠誠心を深めた」と語る。そしてこう続けた。「われわれの今の課題は、自然災害の現実やそれに打ち勝つ方法を次世代に伝えることにある」

 人は対応する術を学び、そして耐え忍ぶ。大噴火から四半世紀という節目を迎え、被災者の生活向上に尽力した人々の踏ん張りが今、ありありと浮かんでくる。(19日・インクワイアラー)

おすすめ記事

邦人男性「背後から撃たれた」 マカティでまた拳銃強盗報告

2025/5/3 社会 無料
無料

投資詐欺で邦人拘束 被害額1億5000万円

2025/5/3 社会 有料
有料

自動投票読取機の配備完了 中央選管、計約11万台

2025/5/3 社会 有料
有料

持ち物検査に探知犬投入へ X線検査機撤去で行列削減

2025/5/3 社会 有料
有料

連載・行雲流水 第128回 令和7年4月、東京

2025/5/3 社会 有料
有料

アイキャンを表彰対象に選出 活動紹介撮影に同行

2025/5/2 社会 無料
無料