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5月9日のまにら新聞から

最悪の不正行為 選挙絡みの暴力事件

[ 717字|2016.5.9|社会|新聞論調 ]

 最近の国内のニュースを見てみよう。ルソン地方イサベラ州で4月29日、ある集落の監視員が襲撃によって負傷。ミンダナオ地方バシラン州では同日夜、教会前に置かれた爆弾によって車両や建物が損壊した。2日前にも投票所に予定されている学校6校が手投げ弾による襲撃を受けた同地方マギンダナオ州では、別の学校で爆破騒ぎがあった。

 サンチャゴ上院議員が同月30日に同北アグサン州を訪問する前には、バランガイ(最小行政区)議長が自宅で狙撃され、支持者2人が死亡、3人がけがを負った。ルソン地方ラウニオン州では議員の護送任務中、爆弾による攻撃を受けた警官を含む4人が負傷した。

 政府は、銃器規制の強化などによって選挙期間中の安全は十分に保たれていると豪語している。だが日々発生する多くの選挙絡みの暴力事件は、政府がさらに対策を講じなければならないことを物語っている。特に危惧しているのが手投げ弾と爆発物による攻撃である。なぜわが国で手投げ弾が急増しているのだろうか。

 政府は選挙当日に注力し、暴力行為に対する対策を立てている。だが、その努力は選挙前後にも行われるべきだ。銃器の取り締まりはもっと厳重に実施され、殺し屋は雇い主とともに逮捕されなければならない。選挙関連の暴力事件数が右肩上がりから「普通」になったことに満足してはいけない。3年ごとの選挙ごとに安い金で殺人が行われること自体「普通」ではない。

 フィリピンの民主主義におけるあまたの「機能不全」は選挙実施によってあらわになる。選挙結果を左右しようと殺人や学校爆破に加わるような人物に、善い政治を期待することはできない。これこそ選挙戦における最悪の不正行為である。(5日・スター)

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