「日刊まにら新聞」ウェブ

1992年にマニラで創刊した「日刊まにら新聞」のウェブサイトです。フィリピン発のニュースを毎日配信しています。

マニラ
35度-27度
両替レート
1万円=P3,680
$100=P5710

2月8日のまにら新聞から

正しい舵取りを 次期大統領の責務

[ 705字|2016.2.8|社会 (society)|新聞論調 ]

 統一選(5月9日投開票)に関連した経済危機の問題は、たびたび議論の的になってきた。とはいえ、社会を大きな混乱に陥れるような大規模不正が起きなければ、選挙に伴うリスクへの対処は可能だろう。国際金融大手の専門家は、最新の世論調査結果を引用し、次期大統領は野党側から選出されると予測した。

 仮に野党側から大統領が選出された場合、国会での影響力維持は難しくなるかもしれない。就任直後は政情不安に陥る可能性すらある。フィリピンという国は、敗れた候補者による抗議の嵐が避けられないためだ。

 アキノ大統領が2010年に当選した際の得票率は約42%。これにエストラダ現マニラ市長が約26%、ビリヤール氏が約15%と続いた。04年選挙では、アロヨ前大統領が得票率約40%で、次点の元俳優、フェルナンド・ポー氏が約36・5%と僅差で惜敗した。

 比の選挙史に照らし合わせてみると、野党側から選出された大統領が立法機関を制御するのは容易である。なぜなら下院議員はまるで洋服を着替えるかのごとく政党を鞍替えするからだ。行政機関もこれまで、人参をぶらさげて国会議員を丸め込んでいた。たとえばそれは、優先開発補助金(通称ポークバレル)に象徴される。しかし、現政権下で最高裁が同補助金を違憲認定したため、次期政権は国会議員を取り込む新たな手段を考案しなければならない。

 各候補者は選挙期間中、票集めの政策を誇張しすぎだ。公約が実現していたら、この国はとっくに先進国になっていただろう。

 世界経済の危機が叫ばれる中、誰であれ次期大統領は、良い統治に焦点を当て、正しい方向に舵取りをする必要がある。(1日・インクワイアラー)

社会 (society)