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9月7日のまにら新聞から

管理責任者の交代を 首都圏の交通渋滞   

[ 725字|2015.9.7|社会 (society)|新聞論調 ]

 アキノ大統領は、首都圏の交通渋滞規制を国家警察の高速道路警備隊に一任しようとしている。それならば、交通渋滞を一括して管理する役職も決めてしまった方がいい。

 渋滞管理を担うはずのトレンティーノ首都圏開発局長は、管轄外での人気取りに必死のようだ。フィリピン発祥のプロテスタント系宗教団体、イグレシア・ニ・クリスト(INC)による抗議集会で、首都圏内の一部道路の渋滞がピークに達していたころ、同局長はアルバイ州レガスピ市を訪れ、同局が自治体に寄贈した計2千万ペソ相当の信号機の引渡式に出席していた。局長が首都圏外のアルバイ州で何をしているのか。

 3日には、同局長は同地方ブラカン州のサンホセデルモンテ市に赴き、同市で実施される防災訓練に参加した。大統領に指名され、首都圏各市町の首長と協力して首都圏の交通を管理する首都圏開発局の局長が、圏外のサンホセデルモンテ市職員の防災対応能力や職務遂行能力を評価するという。

 同局長は2016年の上院選への出馬を狙っているとされる。ビサヤ地方セブ市でこのほど行われた政権与党自由党(LP)の党大会で、同局長の出馬計画が発表された。

 一方で、同局長の本来の管轄である首都圏では相変わらず交通渋滞が深刻だ。マニラ空港高速道建設事業の遅延により、空港付近の交通混雑はクリスマスまで長引く予定で、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を直撃することになる。

 トレンティーノ局長は、高速道路警備隊の任務強化を歓迎しているようだが、ついでに自身が役職を解任されることを歓迎するべきだ。そうすれば、上院選を視野に入れてより広い選挙区で選挙活動をすることができるのだから。 (3日・スター)

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