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12月15日のまにら新聞から

急落と支持率上昇 大統領選挙

[ 706字|2014.12.15|社会 (society)|新聞論調 ]

 民間調査機関のパルスアジアが公表した大統領選を含む次期統一選に関する世論調査によると、ビナイ副大統領の支持率は26%で、首位の座を保ったものの、前回からはポイントを下げた。副大統領は首都圏マカティ市政をめぐる一連の汚職疑惑を追及されているため、この結果に驚きはない。一方、ポー上院議員が2位に急上昇。現段階で当落を予想するのは時期尚早だが、この結果は議論に値する。

 ポー議員は大統領選に出馬しない意向を示しているにもかかわらず高い支持率を得た。9、11両月の調査ではアキノ大統領の後継候補に挙がっているロハス内務自治長官の支持率を上回った。副大統領選の支持率も高水準を保っている。上院選でトップ当選を果たして以来、ポー議員は有権者に「未来の副大統領」とみられてきたのだろう。

 一方、次期大統領選への出馬を公言してきたビナイ副大統領は対照的だ。上院ブルーリボン委員会の聴聞会への出席を拒み、疑惑解明に協力姿勢を見せようとしない。トリリャネス上院議員との公開討論会も「自分は弁護士で、元兵士の同議員をいじめていると国民に思われたくない」との、説得力のない理由で中止した。

 副大統領は上院聴聞会のように社会的責任が問われる場で、汚職疑惑に関して言及することを避け、公共市場、支持者の会合、地方自治体訪問などを通じ、国民と対話する選挙戦略を取っている。古典的な手法だが、過去の選挙で効果的なことが立証されている。

 副大統領の支持率急落の本当の原因は分からない。しかし、信頼の置ける公の議論の場で、汚職疑惑が浮上していることが支持率の低下につながっているのではないだろうか。(12日・インクワイアラー)

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