まにら新聞ウェブ

1992年にマニラで創刊した「日刊まにら新聞」のウェブサイトです。フィリピン発のニュースを毎日配信しています。

マニラ
32度-24度
両替レート
1万円=P4,780
$100=P5380

8月11日のまにら新聞から

比成長の最前線を歩く2 ハイヤーアプリで快適移動

[ 2135字|2014.8.11|社会 ]
携帯型情報端末用アプリ「Uber」で呼べるハイヤーのうちの1台

 自家用車を持っていない限り、マニラでの日本人の移動手段でもっとも利用頻度が高いのはタクシーだろう。日本のタクシーと比べれば圧倒的に安く、使い勝手が良いのだが、タクシー自体が捕まえにくかったり、メーターを倒さない運転手がいることもしばしば。この国にある程度なじみがある方なら誰しも一度や二度はタクシー料金の「ボッタクリ」を経験したこともあるだろう。そんな顧客側の不満解消の切り札とも言えるサービスが、近年世界各国で注目されているスマートフォンなどの携帯端末で利用できるタクシー配車アプリだ。

 マニラで使えるアプリは、市内を走る一般タクシーを自分の指定した場所まで呼ぶ「Grab Taxi」と「Easy Taxi」、そしてプライベートのハイヤーを配車してくれる「Grab Car」と「Uber」の合計4アプリ。一般タクシーの配車アプリは以前「Grab Taxi」がマニラ新聞でも記事化され、十分使えることが実証されていたが、今回はハイヤーアプリである「Uber」を紹介したい。

 2009年に米サンフランシスコで立ち上がった「Uber」は、「みんなのプライベートドライバー」をコンセプトに、現在42カ国でサービスを提供し、マニラでも今年初めから利用可能になった。配車可能な範囲は今のところフォート地区を含むマカティ市限定だが、もちろん行き先は自由に設定できる。アプリは世界共通なので、一度ダウンロードして会員登録をしてスマホに入れておけば、日本を含む対象国であればどこでも使える。

 料金は初乗り40ペソに加えて1分間毎に2・1ペソ、1キロ毎に5・7ペソが同時に加算される。平均すればだいたい一般タクシーの1・5〜2倍の料金になるようだ。「ピークタイム」と呼ばれる時間帯は、通常料金より割増(約1・5〜2倍)で設定されるが、料金に関しては事前に見積りが出るので、予算オーバーならば別の選択肢を検討すればいい。

 しかし、プライベートのハイヤーかつ、一般タクシーより高級車(トヨタ・アトラス、日産ティアナ、フォード・フィエスタなど)であり、アプリに登録したクレジットカードで料金決済を行うため、運転手への支払いが不要なことなど、安全安心面を考えればリーズナブルなように思う。

 それでは実際の使用感をリポートしよう。フォート地区のショッピングモール「SMオーラ」に出かけた週末の午後9時ごろ、マカティ市のマカティ市役所付近へ行くために「Uber」を使用した。

 タクシー待ちの人たちを横目にアプリを立ち上げ、現在地を「SMオーラ」にセット。画面上ではGPSによって現在地周辺にいる車のアイコンが表示され、目的地を入力すれば料金計算をすることもできる。近くの車が10分ほどで到着可能と出たので、早速呼んでみた。車の現在地はリアルタイムで分かり、車両番号、運転手の写真付き情報も画面で確認できる。

 すると約2分後に電話がかかってきて、「どこに迎えに行けばいい?」と英語で聞かれ、突然電話がかかってきたことに驚きながらも、「モールの車止めで待ってる」と伝えた。ほどなくして、「あなたのUberがまもなく到着します」とSMSが飛んできた。 どの車かあたりを見回すとシルバーのそれらしき車両が入ってきたのを確認したところで再度電話が鳴り、「シルバーの車が到着した」とのこと。ビンゴだ。車種はトヨタ・カムリ。一般タクシーと比べると上位車種であるのは間違いない。

 ドライバーがドアを開けてくれて後部座席に乗り込む。シートが破れていたりすることもなく、座り心地も良く、広々としていてゆったりできる。目的地を伝えると、ドライバーはipadアプリのスタートボタンを押し、運転開始。道中は快適そのもので、ドライバーにも話を聞いてみると、「給料は固定制で、利用客は1日10人前後。主に通勤で使っている人が多い」とのことだ。

 そんな会話をしているうちに目的地に到着。「ありがとう」と言ってそのまま車を降りた。支払いはアプリを通じてクレジットカードで決済する。運転手が固定給であることと、現金のやり取りをしないことは「汚職」防止にもなるだろう。支払いの手間も省けるし、なにより安心だ。

 領収書はすぐにメールで送られてくる。今回の走行ルートが地図上に記され、要した距離は5・6キロ、時間は29分58秒。料金は225ペソ、内訳は初乗り90ペソ(現在は40ペソ)、距離料金72ペソ、時間料金63ペソだった。やはり通常の1・5倍といったところか。

 一般タクシーに乗るのが不安な人、タクシーで嫌な思いをしたくない人にとっては「Uber」を利用するのをお勧めしたい。また、雨の日などタクシーが捕まらない時や自家用車の「番号規制日」(カラーコーディング)の選択肢としても十分活用できる。ただ、まだ台数が少ないため車が捕まらないこともあり、その場合は他の配車アプリを使用するのも手だ。また、空港からは定額700ペソだ。

 ちなみに私は、マニラ滞在中はマカティ市からケソン市のオフィスまでの通勤に毎日「Uber」を使っているが、今のところ快適な通勤ライフを送っている。(中村岳、続く)

社会