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8月11日のまにら新聞から

責任を受け止めよ 首都圏交通渋滞

[ 697字|2014.8.11|社会 (society)|新聞論調 ]

 我々はこれまでもさまざまな交通渋滞に悩まされてきた。しかし、8月4日の渋滞は、二つの理由から、悪夢のようだったといえる。この日、首都圏全域での交通渋滞は朝から始まった。多くの場合、日中、あるいは勤務時間後に渋滞が始まるが、この日は猛烈な雨が襲ったからだ。これが理由の一つ目となった。

 二つ目の理由は、もし政府が公共への責任を重く受け止めていれば、簡単に避けることができたはずだ。それは、首都圏の幹線道C5を走る大型トラックだ。首都圏タギッグ市フォートボニファシオ付近で、荷台に積んだ砂の重みでトラックは道路の急斜面を登れず、制御を失って後続の7台に衝突。不運な通行人1人が犠牲になった。これが渋滞の原因となった。

 首都圏開発局は即座にトラックの営業を許可した運輸通信省の陸運事業認可調整委員会(LTFRB)に不満を伝えた。いわく、C5やカティプナン通りの最近の渋滞の原因は同委員会の無許可トラック取締延期にある、と。トラック通行規制や取り締まり強化が経済に影響を生じていることは確かだ。しかし、一方で事故の原因になったトラックは事故当時、走行に適した状態ではなく、取り締まられるべき車両だったという単純な事実にLTFRBは目を向けなければならない。

 同様に、新しい電車の車両を購入し混雑を緩和すること、首都圏各市の渋滞対策を統一させること、バタンガス港など他港の利用を促進し、マニラ港の負担を和らげることといった渋滞対策を政府は取り損ねた。

 しかし、これらの問題に取り組まない限り、首都圏の車、通勤者は時間を浪費する日々を送り続けることになるだろう。(7日・インクワイアラー)

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