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援助パソコン盗難

3. 犯人グループ、日本政府援助の対象になった高校、パソコン教室の所在を熟知

パンパンガ州内の高校では、パソコン教育用教室のドアに頑丈な鍵を3つ付けていたが、ドアの代わりに窓が壊された

 日本政府の無償援助(総額六億ペソ)でフィリピン全国の公立高校に贈られたパソコン類を狙った連続窃盗事件で、犯人グループが寄贈対象校の所在地やパソコン教育用教室の場所などを事前に割り出し、学校が無人になる週末を中心に犯行を繰り返していることが九日、国家警察の調べで分かった。国家警察は、パソコン類の配送・設置を請け負った民間業者の元関係者が事件に関与している可能性が高いとみて、二〇〇三年に入ってから退職した元従業員数人の所在確認を急いでいる。

 被害が続発しているルソン地方の寄贈対象校は五百三十四校。人口や高校数に応じて一市町あたり一・五校にパソコンセット(パソコン本体とモニター、プリンターなどの周辺機器)が贈られた。パソコンの配送・設置は、米国系コンピューターメーカーからマカティ市の民間業者が請け負った。

 調べでは、盗難被害に遭った学校はルソン地方七州の二十三校で、すべて寄贈対象校だった。犯人グループは深夜の暗闇の中で校内にあるパソコン教育用教室の場所を容易に特定、教室の鍵や窓を壊すなどして室内に侵入して日本政府寄贈品であることを示す「JAPAN」というシールの張られたパソコン本体やモニター類を集中的に持ち去った。

 国家警察は、犯人グループが・ルソン地方の寄贈対象校だけを狙っている・パソコンの設置されている教室の場所などを熟知している・・ことなどから、パソコンの配送・設置を請け負った業者の元関係者が何らかの形で事件に関与しているとみている。

 また国家警察は、被害地域の警察署長や貿易産業、教育両省関係者を集めて〇三年八月に開いた対策会議で、パソコン引き渡しの際に両省関係者が立ち会っておらず、安全対策の確認が不十分だったことを被害続発の要因に挙げた。援助事業の規定では、引き渡しの際に両省関係者が立ち会うよう取り決められていたが、配送・設置業者と校長だけで引き渡し手続きが進められるケースが大半だった。警察の初動捜査も不十分で、指紋採取さえ行われていないケースが多い。

 盗難事件は〇二年一月から〇三年十一月にかけて続発し、パソコン本体や周辺機器など約千点が盗まれた。生徒や学校関係者の出入りがなくなる土、日曜日の深夜から未明にかけて発生している。手口は・学校近くに荷物搬送用とみられる車を駐車・持参したハシゴなどを使い塀を乗り越えて校内に侵入・バールなどで鍵や窓の鉄格子を破壊してパソコン教育用教室に侵入・・などとほぼ共通。中には、隣接する普通教室にまず侵入し、木製の壁に大穴を開けてパソコン教育用教室に忍び込むといった手荒なケースもある。

 パンパンガ州メキシコ町のアナオ高校(ドミンゴ・パガン校長、生徒数約千百五十人)では、二回の侵入で寄贈パソコン本体二十台をすべて盗まれた。

 一回目の事件は〇二年六月十日午前一時ごろに発生。寄贈パソコンセット二十組のうち、まずパソコン本体十二台などが持ち去られた。同校は自前で中古パソコン五台を購入してパソコン教育の授業を続けたが、〇三年八月二十八日未明に再び犯人グループが侵入、寄贈パソコン本体の残り八台やモニターなどを盗まれた。中古パソコン五台は手つかずのまま残されていた。

(2003.12.10)


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